TOEIC 990点 & TOEFL 113点 & 英検1級 & 国連英検特A級 Dr.Englishの学習カルテ
試験を通して英語を学び、英語を通して世界を知り、知識を通して人生を豊かにする、そんなことを目指すお医者さんの徒然なる日記
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チームで動く
今日は少し医学関係の話です。興味がある方は英語学習の箸休めにでも読んでやってください。

少し前にACLSという講習を受けてきました。その時感じたことを書きたいと思います。

まず簡単に説明します。Advanced Cardiovascular Life Support、略してACLS。アメリカ心臓学会(AHA)が主宰する、脳卒中を含む心/血管イベントに対する救急対応講習です。

簡単に言うと「アルゴリズムを学んで心臓発作を起こした人を助けよう!+脳卒中患者の初期対応を学ぼう!」という講習です。実診療の場では権限は医師にしかありませんが、看護師なども受講できます。

医療ドラマで救急医たちが1人のリーダーの下、チーム単位で患者の治療をしているシーンがよくあると思います。あんな感じです。ACLSは特に「不整脈と心停止」の症例に対してそうしたチーム医療を行う講習だと思っていただければいいと思います。


今回は研修医2名、ベテラン看護師、私の4人でした。因みに私は2回目です(修了証の有効期限が2年のため)。2日間の通常コースと更新用の1日コースがありますが、復習を兼ねて2日間コースにしました。

医療チームのリーダーはメンバーに適切に役割を与えながら患者の背景から今の状態(心停止など)に至った原因を推定し、状態を安定させるための最善の治療を計画する必要があります。急患の場合、これがものすごく難しい。ACLSはこれを重点的に練習します。

自信をもって指示を出せるかどうかは、本人の気質によるところも大きいですが多くの研修医には酷です。ちなみに実臨床では研修医が指揮を執ることはまずありません。必ず経験豊かな上級医が指揮します。

最初の内は講習中に研修医がリーダー役になると次に何をするべきかすぐに浮かばない、頭ではわかっていても自信がない、そしてその不安が私達メンバーにも伝染し、チームはdisorientedな状態になってしまいます。

インストラクターでもないのにあまり口を挟むのもどうかと思いましたが、ちょっとだけ先輩なので老婆心ながら

「患者が急に心停止になった時、その場で原因はこれだ!っていつでも100%特定できる人はいないよ。それよりもまずは蘇生を優先しよう。どんなにいい治療を考えても患者が生きていないと意味がないからね。そしてメンバーたちは全体を見るよりそれぞれの役割をこなすことに集中しているから、みんな不安なんだ。状況をわかっていないのは自分だけなんじゃないか、自分がやっていることは正解なのか、自分だけ取り残されているのではって不安なんだ。だからリーダーはメンバーに代わって全体を見ていなきゃいけない。そして少なくともこの時点では絶対に正しいことだけを言うよりも、自分が考える最も可能性の高い原因を挙げてチームを同じ方向に向かわせる方が大切だ。本当にわからないなら『わからない』でもいいんだ。『わからないのは自分だけじゃないんだ』と不安が取り除かれて、メンバーが自分のやるべきことに集中できる状態になればそれでいい。チームが同じ方向に向けば自然と余裕が出てくる。その余裕を使って落ち着いて原因を推定していこう。最終的にその方が確実だよ。」

という内容を休憩時間にアドバイスしてあげると、憑き物が落ちたような顔をしていました。その後は次第に声に張りが出てきて、生まれ変わったように活き活きとリーダー役を務めるようになりました。


講習が進むにつれて知識が整理されたことも要因の1つでしょうが、一皮剥けるというのは意外にも小さなきっかけで起きるものなんだな、とも思いました。

自分の時もそうでしたが、こういう講習を受けて一番伸びるのは研修医だと思います。自分の型もないのでスポンジのように吸収できます。そんなに学年離れていないのに彼らを見て嫉妬してしまいました(^^;

私の周りにも大きな結果を生む小さなきっかけが沢山落ちているでしょう。なるべく見逃さないようにアンテナを高くしておきたいと思います。
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研修を終えて
2か月弱という短い期間でしたが、アメリカでの研修が終わろうとしています。恐らくはこの記事がアメリカで書く最後の記事になるのではないかと思います。研修に来て少し後に書いた記事と内容的な重複がありますが、少し違うことも書いています。

来る前は本当に不安でした。

というのも6年生の時にもアメリカのとある医学部でトレーニングを受ける機会がありましたが、その時は英語力、特にスピーキングが全く及ばずシナリオ実習(1日10時間以上×1週間の地獄)で大変な苦労を強いられた過去があるからです。大学に入ってからは週1-2回の英語の授業以外一切英語に触れず、3年生以降はそれもなくなって完全に英語から離れていました。それにも関わらず6年でアメリカに行くと決まった時には英語はなんとかなる気満々、気持ちだけは若いけどブランク長すぎて体がついていかないお父さん状態です。心にしこたま傷を負って帰国しました。

なぜ事前に準備していなかったのかと突っ込みが飛んできそうなので経緯を説明しますと、この短期留学は自分で希望するのではなく学校側が選ぶ形で参加者が決まるものだったので、他にやりたいことがあった私は話が来た早々に一度断っていました。ある日呼ばれて、「君に決めた」とポケモンのサトシを彷彿とさせる決め台詞を言われたときは何のことかさっぱりでした。

このプライドズタズタ&メンタルボロボロ事件が私の英語学習のきっかけになったことを思えば、学生時代の短期留学は行ってよかったと思います。そうでないと今この瞬間に「大切な何かズタボロ事件」が起こっているわけですからね・・・

それから数年が経ち、英語力は何とか使える程度に上達した頃、またこのような機会をいただくことができました。迷わず飛びつきました。今回は学生ではないのでその緊張感たるや前回の比ではありませんでしたが、今回はちゃんと機会を活かせたかなと思います。

英語に関してはもう少し速く話せるといいなと思いましたが、全体的には支障はありませんでした。不意打ちで話しかけられたときは聞き返すときがしばしばありました。他に、色々省略した上での「10?」などと急に言われると返答にタイムラグが発生します。その辺は英語云々の話ではなく慣れ・経験も大きいかなと思います。スピーキングの練習はシャドーイングの処方箋で紹介しているstep3がやはり効果的だと思います。

期間を通して学年が近いこちらの医師のサポートを受けながら外来・手術・入院病棟など、臨床の多くの面を研修することができました。また、医療制度の違いや診療における考え方、手術の際の手技・器具の違いなど多くのことについて日本との違いを知り、ディスカッションできました。上級医たちは「日本ではどうなんだい?」と日米の違いに興味を持っておられました。こちらの学生やインターン(日本でいう初任実務研修医)に手術・合併症の説明などをするのは新鮮で、自分の理解が問われるとともに英語のトレーニングにもなりました。

一番衝撃だったのは生まれて初めて銃創の症例に出会ったことです。手術の後速やかにICU送りになりました。

これだけの期間、業務を空けるにも関わらず暖かく送り出してくれた職場の皆様には感謝感謝です。西がどちらかよくわかってないので足を向けて寝ていたらごめんなさい。あ、東向きもダメですね。

日本に帰ってそっくりそのまま応用できるものはけして多くないですが、得た内容は帰ってしっかりとシェアして私たちの医療のブラッシュアップに貢献できればと思っています。

来る前もバタバタしましたが、帰ってからもバタバタです。気を引き締めて踏ん張りたいと思います。
日本にいてもできること
少し前のブログで暗に匂わせていましたが、現在アメリカにて2か月ほどの短期留学に来ています。授業を受けているわけではないので研修と言った方がいいかもしれません。

しばらく経ち、この辺で気付いたことがいくつかありますのでシェアできたらと思います。

まずは医療についてです。もちろん自分の専門の科を研修しているわけですが、少なくとも自科に関してはあまり差がない、あるいは日本の方が上だとさえ思いました。特に外科的治療(手術)に関しては明らかに日本の方が丁寧です。私と同じくらいの学年の医師を見ても手技はおぼつかない、というより大雑把で見ていて代わってあげたくなるものが多いです。指導医クラスの実力も、現状見ている限り差を見つけることはできません。日本でも良き指導医に巡り合えたものだな、と思いました。その代わり器具・機材は最新式のものが揃っており潤沢です。私が来ているのは大病院の一つで、救急部のエリアだけで日本の大病院全体よりもはるかに大きいです。

もっと細かく言うとどこの病院がどのような疾患に強い、研究はどの機関がすごい、などの傾向はありますがここで語るのはナンセンスでしょう。

次に言語についてです。研修にあたって現状の私の英語力で基本的に問題ありません。スペイン語系の特有のアクセントが聞き取れなかったり(しかも途中でスペイン語がはいってくる)、口語表現や不意打ちで話しかけられたときなどにレスポンスが遅れることがありますが支障があるような頻度ではけしておきません。何度も患者さんや同業者に「Your English is amazing !」「He understands everything !」のような言葉をかけていただいています。こちらの医学生や研修医に術式や治療について聞かれ、説明してあげたりしていますが向こうが理解に苦しんでいる様子はありません。

じゃあTOEFL S27くらい取れてくれよ、と個人的には思いますが・・・テストはテストで難しいものですね。

海外留学・就業を考慮されている方は私の英語力を目安にしていただくと、「行ってすぐ支障がなくやっていけるレベル」の目安になるかと思います。逆に手加減されない分、疾患に対するフィードバックをネイティブの若手と受けるときなどはかなりの集中力を要しますが・・・

食べ物は日本の方がいいです。甘い・辛い・しょっぱい。なのに味に奥深さがない。最近ジムでトレーニングをすると汗が日本にいるときよりも塩っ辛い気がします。帰国まで耐えてくれ、私の腎臓、いやmy kidneys。←左右1つずつあります。


総じて日本でできることはたくさんあります。たしかに海外留学・勤務と聞くと傾向として日本人は「すごい!」「優秀!」というイメージを持ち、同期などの周囲の人間は劣等感や羨望を抱くことがあります。学生の時に留学させていただいたときも周りからそのような印象を受け、そう言われたこともありました。企業によっては昇進しやすくなることもあるでしょう。しかしながら決してそのようなネガティブな気持ちを持つ必要はない、と思いました。私の場合であれば日本でトレーニングを積むことで今後手術もより上手になるでしょうし、英語力もアップすると思います。私を含め日本人は「欧米コンプレックス」のような感情を持つ傾向があると予想しますが、なんだかんだ言って技術・文化共に世界最高峰の国家の1つです。国内で目的意識をもって研鑽に励めばその分野で世界標準以上になることは十分可能だと思いました。

(もちろん日本ではできないこともありますし、海外の方が進んでいるものもありますので一概には言えません。盲目的に海外に憧れたり、国内に留まっているからといって自信を失ったりする必要はない、という意味です。)

どこで行うか、より「何を」「どう」行うかが大切なのは間違いないと思います。学生時代に当時の環境や将来に不平・不満ばかり垂れていた私ですが、父に「置かれた環境に文句をいうやつは2流だ。どこにいってもうまくいくわけがない。」という心臓に直接突き刺さるようなことを言われたことを思い出します。まさにその通りだと思いました。

今は大量の塩分が腎臓に突き刺さっている最中ですが、ドレッシングを使わないようにしたり何とか減塩しようとしています。

今の環境でできるベストを尽くし、自分の力でどうしようもないことに直面したとき・新たなフィールドに挑戦したいという前向きな気持ちができたら迷わずに環境を変えてチャレンジする。

ここまでの所でアメリカに来て得られたのは「アメリカすごい、最先端!」というような感情ではなく、意外にも日本の強みを再認識し、今の自分に至るまでの原点を見直し、今後のことを考えるいいきっかけを掴んだことでした。

残りの研修期間も一層頑張っていきたいと思います。また、たくさん街へ出てアメリカンライフも楽しんできたいと思います。
清潔と不潔
それぞれの人が違った環境で生活し、違った常識を持っている中ではひょんなことから誤解が生まれることもしばしばです。

本日は私が研修医なりたての時に患者さんとの間に生まれた「小さな誤解」の話をしたいと思います。医療従事者は恐らくこのタイトルだけでこの記事の内容が分かってしまうようなちょっとした小話です。

特に外傷などで受診した患者さん対しては、傷口を洗い、抗生物質入りの軟膏などを塗ってからガーゼなどで被覆します。

※最近は傷によっては洗ったあとに浸出液(傷から出てくるジュクジュクした汁)をとどめておくような特殊な絆創膏を貼って自然治癒力を高める方法がメジャーになりつつあります。ジュクジュクには傷を治す成分が豊富に含まれているからです。キズパワーパッドなどの市販の絆創膏もあります。

さて、以下はそのような外傷患者さんに対する処置中のできごとです。

私「・・・よし。洗浄終わったからガーゼをください。」
看護師「きれいなガーゼ出しますか?」
私「いや、汚いのでいいですよ」
患者「き・・・汚いガーゼで傷口を拭くんですか!!!?」
私「・・・?・・・あ!!」

私が汚いガーゼで傷口の水分を取ろうとしたから患者さんがうろたえてしまったわけです。

なぜ私は汚いガーゼで傷を拭こうとしたのでしょう?

これは、医療の場での「清潔」「不潔」の概念は日常使われるものと乖離があることに起因する私のword choice errorです。


例えば、外から帰ってきて薬用せっけんで丁寧に手を洗い、おろしたてのタオルで拭いた状態。

この手は医学的に言うと不潔です。

「なんで!?」

と思われるかもしれません。

医療では清潔=滅菌状態=菌ゼロを意味します。例えば点滴の針はビニールの外装から取り出した後、もう一段階入れ物に入っています。そこから先は体の中に入れる部分は絶対に触らないように注意して針を刺すわけです。

医療的に「不潔」とは「清潔以外」を指します。先程の洗った後の手は滅菌されていないので不潔です。

私たちの日常でいう「不潔」を示す言葉をしいて挙げるならば「汚染」です。「汚染」とは感染にさらされた傷、例えば派手にすりむいて傷口の中に土や砂が入り込んでしまったような傷のことは「汚染した傷」と言ったりします。他にも、排泄物などで汚れてしまった床や道具なども「汚染されている」と表現します。

すなわち・・・

医療の清潔→滅菌処置済みの医療器具など

医療の不潔≒一般の清潔

医療の汚染≒一般の不潔

少々oversimplificationなのは否めませんが、おおよそこのような感じです。ざっくりしすぎですかね。

この時の患者さんは説明して謝罪すると笑って逆に興味深そうに聞いていましたが、このような発言は何気ないものだからこそ気を付けないといけません。

私はこの経験から自分が思っている以上に多くの患者さんが不安で、私たちの発言の1つ1つに非常に敏感になっていることに気付きました。そのため、この例では「滅菌じゃなくていいです」というような言い方に変えたり、色々な部分に気を配るようになりました。今思うと医師1年目に気付けてよかったと思います。

1つ1つの言葉遣いの大切さを教えてくれた、そんな体験でした。
Get Wild
手術室では音楽が流れていることが多いです。執刀医の好きな曲であったり、集中力を高めるクラシックであったり、聞き流せるアイドルソングのようなものであったり・・・静寂よりも曲がかかっていた方が精神衛生上メリットが大きいのです。

私の病院ではオペ室担当の看護師が曲をチョイスしています。今日はTM NETWORKのアルバムでした。

言うまでもなく手術においては疾患についての知識、身体の構造の理解、そして基本となる術式をベースに各患者毎に臨機応変に対応していきます。繊細な手技と適切な判断力が欠かせません。

そこでタイトルです。

アルバムをリピートするため1時間に1回、

「Get WILD and TOUGH !!!」

あろうことか手術中に一番なってはいけない状態が命令形で飛んできます。

もう一つ厄介なのが、

「Be together be together 朝まで yeah ! 」

です。朝まではやりません。さすがに。時々そういう手術もありますが。

wild and toughになった結果、朝までyeah !なことになったら大問題です。

一人では解けない愛のパズルを抱いている場合ではないのです。



そしてもう一つ改めて実感。

TM NETWORKがかっこよすぎる\(゜ロ\)(/ロ゜)/

わかっていたことですが。

私の場合be togetherなどはアミーゴのバージョンの方を先に知ったわけですので、いつぞやかTMNのオリジナルを初めて聞いたときあまりのかっこよさにastonishedされた記憶があります。

もうwild and toughになっていいかな・・・ってなってしまいます。

↑絶対ダメなやつ


そのおかげか(?)普段より少し手術時間が短く済みました。

全力で無視していつも通りdelicate and tenderにやりましたが深層心理でノリノリだとリズムよく執刀できるものだな、と思いました。

術前のイメージトレーニングや予習、そして気持ちを高めて臨むことは大切だと実感しました。
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